実は、密かに大人気の「こりんご歯科医院」
でも、なかなかオープンされないので、
あまり知る人はいないのですが・・・
そのこりんご歯科医院がオープンです!
はい、久々に、こりんご歯科相談が入ったんですね。
日本にお住いの方からの歯科相談。
今日は、日米の歯医者を受診する心得比較から、
自分の口腔内状況をもっと知ろう!
をお届けしたいと思います。
まず、一言、特に日本の方に言いたいのは、
歯科医師の話を鵜呑みにするな!
です。
それで、こりんご歯科医院オープンです。
今回こりんご歯科医院の相談室を訪ねて下さったのは、日本在住のNさん。
「私は、子供の頃から歯が弱くて、
若い時に、奥歯を抜く羽目になってしまいました。
また、虫歯が見つかって、もしかしたら、神経治療になってしまうかもしれないと、
昔、神経治療した歯は、予後が悪く、結局、歯茎がグラつき抜けてしまいました。
もしまた神経治療になってしまったら、また歯がぬけてしまって、
今、アラフォーですが、このままでは、50歳までに歯が持たないのではないかと心配です。
奥歯がなくなったら、今後、インプラントにするのか、どうやって対処すればいいのか、
今度、歯科医院に行くのですが、こりんごさんの見解をお聞きできればと思います。」
なるほど、
奥歯は肝心やで!
どうしても皆さん、ホワイトニングやら歯列矯正でも、前歯のケアに勤しむ方が多いですが、
うん確かに、前歯も大事、見た目って大事ですからね、
他人に与える印象とか、前歯の役割は大きい!
ですが、前歯ってものは、役割的には見た目の審美的なものと、
ファンクション的には、食べ物を嚙みちぎる役目をはたしていまして、
その嚙みちぎったものを、奥歯で噛み砕くわけですが、
奥歯が一本抜けてしまうと、噛む力が約30~40%低下しちゃうのね。
だから奥歯ってめっちゃ大事で!
と言ったところで、この説明だと、ふ~ん(でもまだ前歯の方が大事)で終わってしまいそうだから、ちゃんと説明するわ。
奥歯でよく噛むことによって、
唾液が分泌され、脳に刺激が行き、消化を助け、
歯を食いしばることで力も入れられるし、踏ん張れる。
食事は奥歯でしっかり噛むことで味わうことが出来る。
生命体を維持するためには、
前歯よりも奥歯なんだけれど、
ほとんどの人は、例えば、前歯がかけたら即歯医者に行くと思いますが、
奥ががかけても、痛みがない限りは、即歯医者に行く人は前歯よりは多くない。
どうしても、人間、見た目を先行してしまう。
これは、歯に限ったことではないかも。
で、奥歯が1本なくなっただけで、噛む力が30〜40%も激減するとなると、
奥歯で噛めないから、そう言った上記のベネフィットも無くなる上に、
その奥歯の負担は前歯にくる。
そうなると、いつか前歯だって早くにガタがくる。
今回、相談にいらした方は、奥歯を失うことで、
前歯に負担がかかってしまうと事も心配されてて、
ここが相談のポイントでもあった。
そこは素晴らしいポイントです!
相談者さんは、子供のころから歯が弱く、
虫歯になると、直ぐに神経治療になってしまい、
神経治療になると、高い割合でその後再発し、
最終的には抜けてしまうという事だった。
まだ年齢的には若いのに、今回の虫歯が、また神経治療になって、歯を失うんじゃないか?
もしそうなった場合、インプラントにするのか、入れ歯にするのか、
そう言った将来的な不安について相談したいという事だったのだが・・・
相談を受けているうちに、ちょっと違った問題が浮上して来て、
これは、特に日本ではありがちなパターンなので、
ここで皆さんにもシェアしたい。
半年に一度チェックアップをしているのに、虫歯になりやすい、
またその虫歯が進行しやすい。
なぜ毎日歯を磨いているのに虫歯になってしまうのかって悩みは、いろんな方からよくされる。
これに関しては、毎日歯を磨いていても、パーフェクトに磨ききれる人なんておらず、
聞けば、そう言う人に限って、デンタルフロスをしていなかったりする。
歯ブラシで落とせる歯垢は、口の中全体の60%くらいである。
つまり40%の磨き残しがあるわけで、それをデンタルフロスや歯間ブラシで落とすわけだが、
補助器具を使ってやっと90%の汚れが落とせるが、
それでも10%は磨き残しになっている。
そう言った磨き残しスポットがあるからこそ、
虫歯になったり歯垢が歯石になったりするのである。
なので、年に2回は、歯科医院でプロフェッショナルのクリーニングを受けることが推奨されているわけで、
だから、毎日歯を磨いているのに虫歯になるのは何故という回答はそこにある。
しかし、今回、ご相談された方は、
半年のチェックアップを受けているのに、
半年前には大丈夫だったのに、半年後に虫歯が、
しかも下手したら神経治療になってしまうかもしれないほど大きな虫歯にと言うことで悩んでおられていた。
虫歯になりやすい人は実際に存在して、
これは、遺伝だったり、家庭環境の影響だったり、
また人種の問題だったりもする。
もっと分かりやすく言うと、
虫歯になりやすいって言うのは、
歯の外を覆うエナメル質と言う一番硬い層があるのだが、
そのエナメル質が、柔らかめだったりする人がいる。
骨の骨密度もそうだが、骨が柔らかければ折れやすいわけで、
エナメル質が柔らかければ、虫歯の穴が開きやすいのである。
そのエナメル質の強化をしてくれるのがフッ素なんだけれど、
これも、反対派がいたりで、
今回はフッ素については割愛しますが、
で、歯の構造は、3層になってるんだけれど、
こんな感じで、
外側の一番硬いエナメル質が硬ければ、虫歯になりずらく、
柔らかいと虫歯になりやすい(穴が開きやすい)と説明したが、
このエナメル質の硬さだけでなく、厚さによっても虫歯の罹患率が変わる。
つまり歯をプロテクトしている外装のエナメル質が厚ければ、少し酸でとかされても、
下のレイヤーの象牙質や神経までは到達しずらいが、
これが薄かった場合、ちょっと酸でとかされても、直ぐに次のレイヤーに罹患してしまうということだ。
残念ながら、私たち日本人のエナメル質は、欧米人に比べると薄めで、
なので、欧米人と比べると虫歯の罹患率が高い。
また、エナメル質が薄いので、次の層の象牙質は黄色っぽいのだが、
その薄さによって、象牙質の黄色が透けて、
私たち日本人の色は、若干、黄色みがかっている。
まだ、いろいろ語りたいことはあるが、
それだと、ご相談内容まで到達しないので、この変にしておくが、
今回、気になったのは、虫歯が進行して、神経治療になって神経を抜いて、
その後、また膿が出たりして再発し、それを繰り返しているうちに歯茎が緩んで抜けてしまうというご心配。
神経治療をした歯は、もろくなって壊れやすいというのは皆さんもご存知だと思いますが、
神経を介して、水分や栄養分(血液)が歯に行きわたっているので、神経がなくなれば、
歯がドライになってもろくなりやすく、また色もダークに変色していく。
しかし、神経治療をした歯が、必ずしも再発し、最終的には抜けてしまうものなのか?
ううん、これは、ちょっと納得のいかない話である。
これは、アメリカに来て分かったことなのだが、
アメリカは、歯科治療は全て専門分野に分けられていて、
虫歯治療は一般歯科医、インプラントや口の中の外科手術や難抜歯は口腔外科医、
そして神経治療はエンドドンティスト(神経治療専門医)がやることになっているが、
日本では、全ての治療を、一般歯科医が行っている。
アメリカでも、もちろん、歯科医師ライセンスが別になっているわけではないので、
一般歯科医が、神経治療や難抜歯なんかする人もいるが、
ほとんどは、専門医に送ることがスタンダードである。
やっぱり餅は餅屋で、1日中、神経治療だけしているドクターと、
普段は虫歯の治療だけしてて、時たま神経治療もしますってドクターだったら、
その技量の差は歴然だし、
専門医の方が、神経治療をするための器具がしっかり揃っている。
本当に神経治療は、目に見えない神経の管の中の治療なので、
非常にテクニックを要する治療なので、最初の処置が肝心!
この最初の神経治療がうまく行ってれば、
その後、再発する可能性はかなり低くなるのだが、
逆にここがうまく行ってないと再発率が上がり、
再神経治療になんてなってしまうと、非常に成功率も下がる上に、再発率が上がる。
なので、また膿んだりして、化膿した部分は骨も吸収したりするので、
そこに歯周病なんかも加味すると、最悪、歯が抜けてしまう。
アタシは、何人もの日本で残念な神経治療を施された患者さんのレントゲンを見て来た。
だけど、最初の神経治療さえしっかりされていれば、再発と言うことは、そこまで起こらないので、
ご相談主のNさんが、「神経治療 = いずれ歯が抜ける」と言うか事が常識ではないことはお伝えした。
しかし、半年前のチェックアップで問題なしだった歯が、
半年後に、神経治療になるほどに悪化するものなのかと、
私個人的には、ドクターの見逃しだったのではないかと思ってしまうが、
ドクターも人間、そう言うことだってあるだろう。
ただ、まだ神経治療になるかどうかは、
その虫歯を開けてみなければ分からないとのことだった。
痛みのセンサーは、まず冷たい物にしみる、
これが熱いものにしみ始めたり、打いて痛いと神経の問題である。
私の見解では、Nさんは現在、痛みがあるわけでもないので、
神経治療にまではならないんじゃないかなと、
ただ、これはドクターの言い訳も考慮されていて、
かなり深い虫歯だと、削っているウチに、その研磨熱で神経が死んでしまったり、またミリの世界なので、腕のないドクターだと削りながら神経に触れてしまって神経治療になることもある。
星の数ほどいるドクター、全員が全員、器用で名医というわけではないので、
ドクターも大義名分で、虫歯が深いから神経治療になるかもしれないと、
それはあくまでドクターのせいではなく虫歯が深かったせい運なのだと患者に伝えるわけだ。
もう、こればっかりは、どのドクターがいいかなんて患者には分からないことで・・・
で、問題はここから!
今回は、この虫歯が、神経治療をせずに、詰め物だけで治療が出来ればいいわけで、
実際に、レントゲンがあれば、どのくらい神経に近いかちょっと見当がつくんだけどなぁと思いながら、
最悪、神経治療になった場合は、神経治療の専門医にやってもらいたいので、
セカンドオピニオンを仰ぐためにも、レントゲンをそのドクターからもらえればいいのですがとお伝えすると、
「えっ、セカンドオピニオンだなんて、
なんだが、癌とか心臓病とか重大な病気でやることってイメージで、
虫歯治療くらいでセカンドオピニオンって感覚がありませんでした。」
はい、これ日本人代表のご意見と言っても過言ではないかも!
そうよね、日本ではまだ、虫歯くらいじゃセカンドオピニオンなんてやらないよね。
日本では、まだまだお医者さんも歯医者さんも、偉い人と言うか、一人のドクターに、そう判断されると、言われるがまま、それだけに従ってしまう人が多いのだが、
ドクターだって人間で、神じゃないんだから、そのドクターだけを信じなくていいんです。
本当はドクターとよく話し合って、自分が納得いかない場合は、
虫歯治療であろうが、他のドクターにセカンドオピニオンを聞きに行くべきなんです。
ドクターによっては、同じ状況で、黒というドクターもいれば、白というドクターもいる。
全てをドクター任せきりにせずに、自分の考えも擦り合わせて、最終的には、どの治療にするか決めて欲しい。
Nさんも事実、何かしら不安があって、私に相談をしていると言うのは、
これもセカンドオピニオンを聞いていると言うかことでもあるんです。
日本ではまだ、先生に悪いので他の歯医者になんか行けないと言うような義理人情もあって、レントゲン下さいとか言えないのかもしれない。
だけど、アメリカなんてセカンドオピニオンなんて当たり前のことすぎて、
より良い治療は、ドクターに選んでもらうんじゃなくて、自分で選ぶんですよ。
だから、日本のように、一人のドクターだけを信じて、ドクターに任せきりだと、本当に何されてるか分からずに終わってしまう。
虫歯くらいじゃ死なないって感覚が強いのか、
これが癌だったら、死に物狂いでいい医者探してセカンドオピニオンあちこち行くよね。
歯医者に行って何されたか、みんな、なんとなくしか分かってないと思います。
ドクターに何か説明されても、なんだかよく分からないのに、
まぁドクターがそう言うのであればお任せします。
それじゃダメなんです!!!
歯も自分の体の一部なんですから、
ドクター任せにせずに自分でも守って欲しい。
Nさんのご相談で、今回は、その虫歯が神経治療にならないことを祈るばかりなんですが、
万が一、神経治療になったら・・・
そのために、セカンドオピニオンでレントゲンをもらっておいたら、
他の歯科医院に行っても、余分なレントゲン撮らずに済むし、と思っていたら、
「でも、もうその虫歯治療する歯の型を取ったので、他院には行けないと思います。」
えぇぇぇ?!?!
なんで虫歯治療(即日充填)で型取るの?!?!
「えっ、なんのための型取ったんですか?」
「ちょっとよく分からないんですが・・・、」
自分でもよく分かってないのに、何か処置させてはダメですっ!
「多分、仮歯を作るとか言ってたような・・・」
えっ?
虫歯治療で、仮歯作るとは?
もう神経治療前提ってこと?
「仮歯を作るってことは、クラウンを作るってことですよね?」
「クラウンってなんですか?」
「歯にすっぽり被せるメタル冠です。」
「いえ、色を選んだので、白い奥歯を入れるそうです。」
えぇぇぇ!!!!
「日本で、白い奥歯を入れると保険聞きませんよ。」
「でも保険が聞いて、一番安いやつで2万円弱だそうで、
いろいろ種類があったので、それについても、こりんごさんに伺おうかなと思ってて。」
えぇぇ?!
「あの、もしや、ポーセレンとかジルコニアとか言ってました?」
「あ、そうです!」
「それ自負診療ですよ!
保険で入れられる奥歯は、メタルクラウンの銀歯だけです。
しかも銀歯なら数千年で入れられます!
2万弱で白いクラウン入れられるのも安いですが、
奥歯の見栄えを気にしないなら銀歯で数千円で保険の歯入れられますよ。」
「えっ? 私は銀歯で十分です。
ちょっと先生によく聞いてみます。」
今回は、虫歯が神経治療になって、その後抜けてしまったらどうすればいいのかという相談だったのですが、
少し相談内容とはずれて、一般的な歯科医院に通う心構えと言うか、
もう少し、ドクター任せにせず、患者の方から、分からないことはないくらい質問しまくって、
施される内容を把握する、そして、自分でも診断方針の決定権を保持する。
そんな話の流れになりました。
本当に、知らないという事は、何をされても文句が言えませんから、
丸め込まれて終わりです。
私たちは、もう少し賢い患者にならなくてはなりません。
アメリカの医療費はバカ高いので、アメリカの患者さんは日本の患者様よりかなりデンタルIQも高いです。
日本は、ありがたいくらい医療費に恵まれているので、その点では、ナーナーになってしまうのも原因かもしれませんが・・・。
たまたま自分は歯科業界に長く働いていたので、そう言った知識はありますが、
これは、歯科業界だけに関わらず、どの世界でも同じことで、
医療、法律、政治、教育、
私たちは、専門家に任せきりにせずに、少し自分でも勉強しないと、
より良いサービス、より良い生活を受け取れないのかもしれないなと、
知識や、情報って大事だね。
それをどう信じるかの判断も大事だけれど、
まずは、知らないことが一番怖いことですから。
今日は、歯科だけではなく、そんな事も思いながら、こりんご歯科医院クローズさせていただきたいと思います。
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育児が大変な時でも、ちょっと笑える瞬間を届けたい。
心のオモチャ箱、一緒に開けよう!
育児エンタメの第一弾として、
親子漫才やってみました!
ちょっと育児につかれた方、ちょっと人生に疲れた方も、
クスっと笑っていただけたら嬉しいな。
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って結構言ってるけど、なかなか達成しないw
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