ニューヨークは、不要な外出禁止命令出てますけれど、
昨日も急患が出て出勤した、
NY歯科医院勤務のこりんごです。
えぇ、こんなアタシも一応、
エッセンシャルワーカーでして。
ただね、歯科医院の急患って何?
って思う人多いみたいね。
ER(救急病院)とか、病院とかならイメージ湧く人もいるようで、
今や、NYの病院はパニックだよ。
そういった一線で働くエッセンシャルワーカーの皆様には頭が上がりませんが、
では、今回は、外出禁止中に歯の問題が発生した!
コロナパンデミックで外出禁止でも、
歯医者に行っていいの?
でも感染が怖い!
歯科医院の感染対策対応は?
歯医者はどんな急患も診てくれるの?
どこまでが急患なの?
家でなんとか対処出来ないかしら?
といろんな疑問があるかもしれないですね。
今回は、そんな疑問にお応えしちゃう!
久々に、こりんご歯科医院(相談室)オープンしちゃうよっ!
じゃあ、まず、歯医者へ行く急患ってどんな人?
急患の殆どは、
- 差し歯が取れた!
- 歯が欠けた!
- 詰め物取れた!
- 歯茎が腫れた!
こんな感じでして、
前歯が取れちゃった人なんかは、
コロナの心配よりも、見栄えの心配が先決。
痛みを伴わなくても、
今すぐ絶対に歯医者に行きたいよね。
「歯は命!」ですから、お察しします。
何故か、急患のみ対応ですよ!
という時に限って、
歯が欠けた、歯茎が腫れたって人が多いんだよね。
みんなストレスか?
さて、今回、コロナで外出禁止の時の
歯科医院ブログを書こうと思ったキッカケは、
読者の方から頂いたコメントなんです!
歯科勤務のこりんごさんに、
お聞きしたい事があります。
私はカリフォルニア在住で、
現在、歯の治療の途中です。
前回の治療で虫歯を削って仮歯を入れた後でこの自宅待機令がでて、
(クラウンに取り替えられないまま)仮歯で1ヶ月経ってます。
極力、仮歯サイドで噛まないようにと気をつけてますが、
仮歯が取れないか毎日ヒヤヒヤです。
もし仮歯が取れちゃったら、
歯医者に行っても大丈夫でしょうか?
(アメリカの歯科医院での感染対策は徹底してるのでしょうか?)
出来ましたら、歯科の治療器具はどういう方法で滅菌するのか教えて頂けますか?
それか、仮歯が取れても我慢して歯医者さんは行かないとしたら、
仮歯取れてそのままにしておいたら、
どのくらい期間なら歯は大丈夫なんでしょうか?
歯の状態にもよりけりと思いますので、
一概には言えないとは承知しておりますが、
もしアドバイス頂けたら本当に助かります。
これは、いい質問よね~。
自分は、歯科医院勤務だから、
そんな疑問も湧かなかったわ!
でも、こういうのを知りたい人はいっぱいいるよね。
よっしゃ、だてに日米通算25年、デンティストリーに携わってませんから、
こんなことでお役に立てるなら、お答えするわっ!
まずですね、
歯科の見解で、どこまでがエマージェンシーなのか?
日常生活に支障をきたすようであれば、
歯医者に行っていいと思いますよ。
このパンデミックの状況でどこまで対応してくれるかは、
その歯科医師次第なんですけれど、
詰め物取れたくらいなら、
痛みないなら我慢してねって言う先生もいるかもしれないね。
まず、痛みのある人は、とにかく痛みを取ってもらいたいよね。
炎症の場合は、ほとんど抗生物質を処方して終わりなので、
電話だけで対応出来ます。
(アメリカは、薬局に直接処方箋を出すので、
その薬局に取りに行くか配達してもらってくださいね。)
痛み止めは何を飲んだらいいの?
って質問も多いのよね。
歯科での痛み止めは、大抵、Ibuprofen
アメリカで一般に飲まれているAdvil はIbuprofenです。
Ibuprofenは、非ステロイド系の消炎鎮痛剤なので、
歯痛にはよく効くのよ。
対して、アセトアミノフェンは、
商品名だとTylenol ね。
こっちは、解熱鎮痛剤なので、
発熱や頭痛にはいいかもしれないけれど、
消炎作用がないので、歯医者ではIbuprofenをよく出すよ。
だけどさ、今、コロナウィルスの問題で、
Ibuprofenを飲んだ人が悪化してるってニュースあったよね。
どうやら抗炎症剤はコロナを悪化させるらしいよ。
コロナかもしれないと思ったら、
Ibuprofen飲むのはやめた方がいいと思う。
そんなんで、今、ドラックストアでは、
解熱剤の Tylenolも売切れだったね。
ただ、コロナにかかってないなら、
歯痛には、Advil(Ibuprofen)をお勧め。
とは言え、痛み止めは一時的に痛みを抑えるだけなので、
切れれば、また痛むし、
アタシは、薬を極力飲みたくない人なので、
根本的な原因を直ぐ治した方がいいし、
風邪の解熱だったら、
解熱剤や鎮痛剤で無理に発熱を抑えるよりは、
体の治癒力に従って、発汗作用を高めて回復を目指すタイプです。
ただ歯痛はね、我慢出来ないよね。
前歯が取れた!欠けた!
って人は、上でも言ったけれど、
外出禁止でも見栄えが気になる人は歯科医師に相談してね。
外出してでも治してもらいたい人は、
ウチのクリニックは対応してます。
(ただ新患の方は状況によってお断りする可能性もあるとか。)
歯科医院でのクリーニングや定期健診は、予防に入るので、
エマージェンシーでは対応しておりません。
では、上の読者様コメントのご相談で、
まだパーマネントのクラウンが入る前の仮歯の方。
本物のクラウンが出来上がるまで、
かけると困るので硬いものや、
粘って張り付くガムやキャラメルは避けてね。
デンタルフロスで歯の間をお掃除する時も、
仮歯のところだけは、入れたフロスは横から引き抜いてね、
引き上げたり、引き下げたりすると、
仮歯に引っかかって取れやすくなっちゃうよ。
タダね、タイミング悪く、このパンデミック!
いつコロナウィルスが終息するかなんてわからないじゃない?
今、この時点で、技工所もクローズしてたりするんで、
技工物(クラウンなと)が出来上がってこないケースがあって、
本物のクラウンを装着してもらえるのが長引きそうなんだよね~・
仮歯ってどのくらい持つんですかという質問は、
これね、本当に個人差があるの、
ほら、噛みこみの力が強い人や、歯ぎしりしてる人は、
仮歯が摩耗しやすかったり壊れやすいんだよね。
(昨日も、仮歯を壊して作り直しに来た人いたよ~)
そうじゃない人は、結構、数ヶ月、数年、
中には数十年仮歯ですって人もいるのよ。
ただ仮歯は、仮のセメントで付けてるし、
マージン(歯と根元の境目)がキッチリしてないので、
汚れもたまりやすく歯にも歯茎にもよくないので長い間、
仮歯でいるのはお勧めできない。
とりあえず、仮歯が取れたり、壊れる前に、
コロナが終息して、本物のクラウンを着けてもらえるといいんだけれど、
いつ開けるかわからないコロナウィルス。
じゃあ、外出禁止中に仮歯が取れちゃったらどうしよう?
仮歯が壊れたり、取れたりした時、
神経が残っている歯の場合、仮歯が取れるとしみるので、
壊れたのならば、歯医者に作り直してもらうしかない。
無髄歯(神経治療済みの神経のない歯)は、痛みがないからいいんだけれど、
歯は、神経を介して水分や栄養分が行き届いているので、
その神経がない歯は、ドライになってもろくなりやすいの、
だから、プロテクトのためにクラウンを被せるわけなんだけどさ、
神経は残っているけれど、しみないとか、
無髄歯は、もともと痛みがないいから、
仮歯が取れたら、ほおっておていいのか?
出来れば、プロテクトのために歯医者につけ直してもらうのがいいんだけれど、
外出禁止で、コロナがいつ終息するかわからないのと同様、
次の予約がいつになるのかわからないしねぇ。
あまり長い間、仮歯がないと、噛み合わせの反対の歯、
例えは、下の歯の仮歯が取れたら上の対合歯が下がって来たり、
上の歯の仮歯が取れたら、下の対合歯が伸びだしてきちゃうのよ。
また、隣の歯も倒れ込んでくる恐れもあるのね。
(明日、明後日の話じゃないけれど、
歯は常に動いてるのでね、数ヶ月、数年かけて伸びだしたり倒れたりしてくる。)
それで、本物のクラウンが出来上がってきた時、
着けてみると、きつくてハマらないとか、
噛み合わせが狂ってくる場合もあるのよ。
(調整して入れることも可能だけれど。)
だから、あまり、長期で仮歯が取れっぱなしも、やや問題。
じゃあ、万が一、仮歯が取れちゃって、
歯医者が急患対応してくれず、つけてもらえない人とか、
外出禁止だから、なるべく、歯科医院に行きたくない人、
お家で、なんとか乗り切れないか?
はい、乗り切れるよ!
どうしても、直ぐに歯医者に行けない人は、
取れた仮歯の中にくっついている仮のセメントをキレイに取って、
仮歯をよく乾かして、
ワセリンか、入れ歯安定剤(ポリグリップ)を、
仮歯の内側に薄く塗って(厚く塗ると噛み合わせが高くなっちゃうよ)
一時しのぎ出来ます。
じゃあ、もう、どうしても歯医者に行かなくちゃいけないくらいの問題発生しちゃったけれど、
このコロナ騒動で、歯医者に行って感染したくない!
と、強く思っている人は、精神的によくないので、
無理して行く必要ないよ。
アタシら、歯科医院スタッフも、
急患が来なければ、自宅待機出来るので、
正直、来てほしくないのよ~。(笑、本音)
ただ、どうしても、こんな時期に歯医者に行かなくちゃならない場合、
上のご質問にもあったように、
アメリカの歯科医院での感染対策は徹底してるのでしょうか?
歯科の治療器具はどういう方法で滅菌するのか教えて頂けますか?
はい、教えましょう。
これね、コロナ対策で、滅菌じゃなくて、
毎日当たり前のこと過ぎて、考えもしなかったけれど、
歯科医院での感染対策は、
緊急時でなくても、当然していなければなりません。
コロナが蔓延したから、消毒滅菌はじめました!
じゃ、ないのよ~。
歯科医院には、エイズの人も来れば、
肝炎の人も来るでしょ?
そういう人の対応は、キチンとしてるよ。
院内感染起こしたら、Sueされるし(訴えられる)
自分に感染するのも嫌だからね。
コロナウィルスが蔓延して、
患者さんは、歯医者に行って口を開けるのも嫌だろうけれど、
対応してる、アタシらも、貴方から感染するかもしれないリスクはあるからね。
感染しません、させませんをモットーに、
いつもは、マスクとグローブですが、
今は、N95と、アイガードも装着!
さて、歯医者での、感染対策、
治療器具の消毒方法のご質問。
これも、コロナのパンデミックに限らずやってることなんだけれど、
使った器具は、血液や汚れを水洗いした後、
こちらの超音波洗浄機で洗います。
洗った器具は、それぞれ滅菌パウチに入れまして、
こちらの滅菌機のオートクレーブに入れれば、
こんな感じね、
これで滅菌完了です。
エイズや、肝炎の感染患者さまに使った器具は、
また特別のソリューションで滅菌するんですが、
それは、今回は割愛します。
(オートクレーブに入れれば、肝炎もHIVも滅菌出来るので、
最終的には滅菌機に全ての器具は入れています。)
デンタルチェアーは、患者さん一人ひとり、
治療が終わり次第、こちらの殺菌ワイプで拭きます。
これは、HIV(エイズ)や肝炎のウィルスも殺菌出来るのよ。
そして、こちらの殺菌スプレーも、
しっかり殺菌してくれます。
このワイプと、スプレーで、患者さんごとに殺菌しておりますよ。
デンタルチェアーのヘッドレストカバーは、
毎患者ごとにお取替え、
チェアーについてるハンドルや、
ライトハンドルは、カバーテープで覆ってます。
コロナがパンデミックになってからは、
上記の殺菌だけでなく、
待合室の椅子や、ドアノブも、こまめに殺菌スプレーやワイプで拭くようになりました。
そして、今までは、デンタルチェアーのハンドルだけカバーテープ貼ってましたが、
今は、クリニックのドアノブにも貼るようになったよ。
基本的な、歯科医院での感染予防、
消毒、滅菌 対応は、こんな感じです。
ただ、コロナの症状である、
熱があったり、咳き込んでいる人は、
歯科医院では対応しきれないので、
自宅待機のあと、それでも回復しない場合はかかりつけの医師とご相談下さい。
現在の急患対応では、診察の前に体温を測らせてもらってます。
不特定多数の患者さんを引き受けるのも遠慮しております。
マジ、本当に必要な時だけ受診してください!
そして、不要な外出はしないでください!
それなのに、アタシは、昨日も出勤で、
今日は、遂に採卵ですよっ!
えっ、4月1日、エイプリールフール?
嘘じゃないよね?笑。
では、また、外出だ~!
これは、出勤&通院という必須な外出です。
悪しからず!
では、本日も、NYこりんごラジオ、過去放送ピックアップは、
不要な外出はしないようにと呼びかけつつ
外出で街の様子をリポートの動画をお届け!
ラジオインタビューの他、
現在のニューヨークの街の様子や自宅待機の様子を随時配信中!
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