小さな問題で歯医者に行ったら、
予想以上に大きな問題で返って来た事ありませんか?
本日も、こりんご歯科医院オープン!
日米で歯科業界に携わってたニューヨークのこりんごです。
あまりオープンしてなかった こりんご歯科医院ですが、
一旦オープンされると、立て続けに依頼が続いたりするもので。😅
今回のご相談者様は、アメリカにお住まいのKさん。
奥歯がちょっと冷たい物にしみたので、
悪化しないよう、早期発見、早期治療で歯科医院に行ったら、
抜歯と診断された!
えぇぇぇぇぇぇぇ?!?(゚Д゚;)
ちょっと待ってくださいよ。
という事で、こりんご歯科医院を訪ねて下さったKさん。
前にもブログで、日米の歯科治療の相違をブログしまして、
基本的に、アメリカはアグレッシブ、
日本はコンサバティブな感じがするとお伝えしましたけれど、
それにしたって、理由もなく、歯がしみるから抜歯してインプラント入れるって、
そりゃ、アグレッシブと言うよりは、
金儲けじゃねぇのかって疑いたくなる。
アタシは、アメリカで20年以上歯科業界にいますけれど、
自分の歯は出来る限り残したい!
神経治療も抜歯も、最終手段だと思っているコンサバ派である。
(矯正治療での抜歯は別です。)
しかし歯を残したいと言っても、保存不可な理由が一つある!
それは、根っこに垂直にヒビが入ってしまった場合である。
こればかりは、保存したくても、どんな治療方法もない。
入ってしまったヒビは、割れた茶碗と同じで、修復不可
セメントでくっつけたとしても、いずれまた割れてしまうよね。
よほど神経の炎症が酷く、加えて歯周病もあって、根っこも歯茎も炎症起こしてるような場合は、
歯を支える骨がとかされちゃって、重度の歯周病で勝手に抜けちゃうってことはあっても、
それ以外、あえて抜歯の対象になったりはしない。
歯を抜く理由は、こちらで詳しく書いておりますので参考にしてみてね。
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歯を抜く最終の理由。
久々に、こりんご歯科医院オープンするわよ。 歯科の知識をつけて、 悪徳歯科医師に ぼったくられないように、 デンタルリテラシーを高めよう! をモットーに、こりんご歯科医院営 ...
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なので、今回、冷たいものがしみると受診して、
いきなり抜歯と言う診断が下ったKさんのケース
真っ先に、根っこにヒビが入ったのかなと推測するのだが、
特に冷たいものがしみただけで、何もしないのに痛みが出るとか、歯が動揺しているとか、噛むと痛いとか、それらしき症状が全くなかった。
「なぜ、ドクターは、その歯を抜くと言っていましたか?」
「2年前にその歯から膿が出て、今でもレントゲンにその膿の影があるからだそうです。
神経治療をしても、そんなに長くはもたないだろうし、
特に、その歯は、一番奥の歯であまり重要な歯じゃないので、
隣の歯に影響を及ぼす前に、抜歯しましょうという事でした。」
へっ?!?!?( ゚Д゚)
一番奥の歯だから重要じゃない?!
誰じゃっ、そんな事言ってるやつは!!!
歯はみんなそれぞれ役割があって、重要じゃない何てあらへんっ!
前歯は嚙みちぎる、奥歯は噛み砕く!
奥歯の重要性を、前回のこりんご歯科医院で語ったばかりだったから、
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歯科治療方針はドクターだけに委ねない!賢い患者になろう!
実は、密かに大人気の「こりんご歯科医院」 でも、なかなかオープンされないので、 あまり知る人はいないのですが・・・ そのこりんご歯科医院がオープ ...
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奥歯が重要じゃないなんて言うドクターもいるんだなぁと驚いたものの、
隣に影響を及ぼすほど酷い炎症が起こってて、神経治療をしても持たないような状態なのか?
でも、であれば、相当な痛みがあってもおかしくないのだが・・・
しかも、本人は、冷たいものにしみたと言っておられる。
つまりですよ、痛みのセンサーである神経はまだ生きているってことじゃないですか!
神経生きていて、神経治療することすら疑わしいのに、抜歯ってどういう事やねん?
レントゲンを見せていただいたのですが、
あれ? 話に聞いているほど、レントゲンではそこまで悪い感じがしない。
う~む、特に大きな炎症のような影もなく、
何故この歯を抜いてしまうの疑問は募るばかり。
口腔内全体のパノラマレントゲンも見せていただいたのですが、
クラウンや詰め物された治療済みの歯どころか、神経治療も今まで一度もされていない。
つまり口腔管理がよくて虫歯になっていない、レントゲン見ただけで、口腔ケアがよく出来ているとわかるほど綺麗なレントゲンでした。
Kさんは、40代なのですが、通常この年齢で、治療した歯がほとんどないって、
相当、歯が強いか、口腔管理がよく出来ている人です。
そう言う事も兼ね合わせて考えると、
ますます、何故に、この奥歯が抜歯になるのか?
私は、ドクターではないので、診断を下したりは出来ませんが、
レントゲンを見ても、現在の症状を見ても、抜歯をする必要性が感じられない。
歯を抜いてしまうのは簡単な事ですが、
抜いてしまったら、それで終わりです。
まず、皆さんにお伝えしたいのは、
自分が思っていた以上の悪い診断が下った時、
少しだけ思いとどまって欲しい。
ドクターに抜くべきですねと言われれば、
そう言うもんかなって思ってしまいがちですが、
ちょっと自分でもアナライズできるよう、
痛みのメカニズム、神経治療や抜歯対象の症状を簡単に説明しておきます。
まず虫歯は、はじめは冷たいものにしみます。
この状態でしたら、まだ削って詰めたりと虫歯治療で済みますが、
それが温かいものにしみてくると、ちょっと神経の問題で、
噛んだり叩いたりして打診痛が出てくると、これは膿がこもっているため痛むので、神経治療が必要になって来ます。
また歯周病は、歯を支えている骨を溶かしてしまう病気で、悪化すれば支える骨がなくなるので、最悪勝手に抜けてしまう病気です。
また支える骨がなくなると、つまり歯と歯茎の境目の歯周ポケットが深くなってしまい、歯がグラついて来ますが、その揺れが横揺れから、縦揺れに移行すると、そのうち自然に抜けてしまう可能性ありです。
こう言う事を踏まえて、特に症状がないのに、神経治療にジャンプインしたり、
抜歯を受け入れてしまうのは、本当に勿体ない!
ちょっと、自分でも症状を照らし合わせて、本当に抜歯が必要なのか、
自分でも判断できるようにしておこうじゃありませんか!
そして、これも理解しておいてほしいのは、
決して、Kさんのドクターが誤診した!
とか言いたいわけではありません。
Kさんのドクターの間違えではなくて、それはそのドクターの診断です。
同じ症状でも、ドクターが10人もいれば、それぞれいろんな診断が出てきます。
まぁ、ドクターも人間ですから、誤診もあれば、金儲けと言う観点で、
必要ではない処置を施すドクターもいなくもないですが、
各ドクターで、信念や方針が全く違いますから、
ドクターが変われば診断が変わってくるのは当然かもしれません。
そこには、アグレッシブなドクターもいれば、コンサバティブなドクターもいるわけで、
コンサバ派からしたら、この歯を抜歯するなんてと思うところを、
アグレッシブ派は、将来、問題が出るより、今抜いてインプラントを入れた方が長い目で見て予防になると考える。
以前、アンジェリーナジョリーが、乳がん家系で、乳がんになりやすいので、
将来の乳がん予防のための乳房切除をしたというニュースが話題になったよね。
あれも賛否両論あって、勇気ある決断と称賛されつつも、
乳がんの遺伝子を持っているからといって、必ずしも乳房切除手術が適切とは言えないという医療関係者からの声も大きかったそうで。
ただ、アンジェリーナジョリーの体は、彼女自身のものなので、
彼女の決断で、手術に至ったわけだ。
医者に言われたからやったわけでもなく、
本人の決断が大事!
だけど、その決断をするのに、選択肢が分からなかったら決断も出来ない。
歯を抜くというシチュエーションになった時に、
歯科医師に言われたから抜くのではなく、
何故抜かなければならないのか、
そして、抜く他にも選択肢がないのか、
それを皆さんにも考えて欲しい。
なので、今回は、Kさんのドクターが誤診したとか、
アタシの考えが正しいとか言っているわけではない。
そう言う選択肢がある中から、どの選択をするかは、患者様である本人自身なのです。
前回のブログと、同じような繰り返しになりますが、
ただドクターに言われたことを、そのまま理解もせずに受け入れて行うのは得策ではない。
一度、抜いてしまったり、切除してしまったら、それでお終い。
もちろん、抜歯や乳房切除した後に、人工のインプラントで再建は出来るが、
天然の自分の一部は、もう再生されない。
(今、再生術の研究はされてはいるけど・・・)
人生、何か大きな決断をするときは、
やはり皆さん、その決断の前にじっくり考えますよね。
なので、歯も、その大きな決断の一部に入れていただきたい。
何でもかんでも抜いて、入れ歯やインプラントにすればいいんじゃないって考えをなくして、
歯一本くらいって思ってる方もいらっしゃるかもしれないが、
永久歯は、親知らずも含めて32本しかなくて、
1本失うと、あっちも、こっちもガタが出やすいと言うか、
アタシ、歯科に関しては、かなり保守派なのでw
なるべく、自分の歯を守ってほしいなと。
今回、ご相談下さったKさんには、
主治医の歯を抜いてインプラントを入れるという選択肢以外にも、
別の選択肢を探せるお手伝いは出来たかなと思っております。
ご相談下さったKさんは、こりんごYouTubeのデンタルフロスの How to 動画に大層感動して下さったそうで、
まだ見ていない方にも、お役に立てればなと、また投稿しておきます。
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